逆パワハラとは
立場に関係なく、感情的・威圧的な言動や不当な要求によって
相手(主に上司・管理職)の業務遂行を妨げ、組織運営に支障を生じさせる行為。
ハラスメントは上下双方向で発生する
民間企業で多い典型事例
① 注意すると泣く・怒鳴る・退席する
業務上の指導を感情的反応で遮断し、「パワハラだ」と周囲に吹聴。
→ 上司が指導できなくなり、チーム統制が崩れる。
② 指示拒否・業務遅延を繰り返す
「そのやり方は嫌だ」「前の上司は違った」と従わず、同僚に不満を拡散。
→ チームが分断され、生産性が低下。
③ すぐ「ハラスメント」を盾に威圧
軽微な注意や確認にも「それはハラスメント」と言い、上司を萎縮させる。
→ 指導放棄状態となり、部下の成長が止まる。
④ 責任転嫁・逆ギレ型
期限遅れやミスを指摘すると「上司の説明が悪い」「仕組みが悪い」と強く反発。
→ 改善が進まず、管理職の精神的負担が増大。
⑤ 上層部への一方的な情報操作
発言の一部を切り取り、社長・人事に「被害者」として訴える。
→事実と異なる介入が起こり、組織判断を誤らせる。
⑥ 周囲を巻き込み“上司包囲網”を作る
同調者を集め「みんなが困っている」と集団圧力を形成。
→ 上司の孤立、チーム崩壊につながる。
上司・管理職の最適対応(共通)
1. 事実を記録する(最重要)
日時/指示内容/相手の言動/業務への影響/第三者の有無
※感情は書かず、事実のみ。
2. 二人きりで対応しない
同席者・議事録・オンライン録画などで客観性を確保。
3. 指示・注意は必ず文書化
「念のため共有します」と自然にログを残す。
4. 感情の応酬に乗らない
業務目的・事実ベースのみで対応。
5. 早期に人事・コンプラへ共有
個人トラブルではなく「組織運営リスク」として報告。
現場で使えるフレーズ
• 「業務上必要なため、記録に残します」
• 「指示内容を文書で共有します」
• 「この件は第三者同席で進めます」
• 「事実を整理してから続けましょう」
• 「感情的な状況では判断できません」
組織としての重要ポイント
• ハラスメント定義に「部下→上司」も明記
• 人事評価に“態度・協働性”を反映
• 問題行動には改善計画・期限設定
• 管理職の心理的安全性も守る姿勢を明確にする
逆パワハラは放置すると
「指導できない職場」「成果の出ない組織」を生む。
守るべきは“声の大きさ”ではなく“事実と業務”である。
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