― 働きやすく、成果の出る職場づくりのために ―
1.心理的安全性とは
心理的安全性とは、
「この職場では、自分の意見や疑問、失敗を安心して表明できる」
と従業員一人ひとりが感じられる状態を指します。
• 意見を言っても否定されない
• 質問しても無知だと扱われない
• ミスを報告しても責められない
• 立場の違いがあっても対話できる
こうした環境は、チームの生産性や創造性を高める土台となります。
2.パワーハラスメントとは
パワーハラスメント(パワハラ)とは、
職場における優位な立場を背景に、業務の適正な範囲を超えて、
精神的・身体的苦痛を与え、就業環境を害する行為です。
厚生労働省では、次の3点を要件としています。
1. 優越的な関係を背景にした言動
2. 業務上、必要かつ相当な範囲を超えていること
3. 就業環境が害されること
人前での叱責、人格否定、威圧的な態度、無視や過度な業務指示などは、
パワハラに該当する可能性があります。
3.心理的安全性とパワハラの関係
パワハラが起きる職場では、
• 発言を控える
• 問題が報告されない
• 不満や不安が蓄積する
結果として、心理的安全性は低下します。
一方、心理的安全性が高い職場では、
• 指導や注意が「人格」ではなく「行動」に向けられる
• 意見の違いが対話で扱われる
• 早期に問題が共有され、改善につながる
そのため、心理的安全性はパワハラ防止の重要な前提条件となります。
4.よくある誤解
「心理的安全性=甘い職場」ではありません。
心理的安全性が高い職場ほど、
• 役割や責任は明確
• 指摘や改善要求は率直
• ただし、相手の尊厳を傷つけない
厳しさと敬意が両立しています。
5.職場で意識したいポイント
• 叱るときは「人格」ではなく「行動・事実」に焦点を当てる
• 意見や質問を歓迎する姿勢を示す
• 沈黙を「問題なし」と誤解しない
• 日常的な声かけと対話を積み重ねる
心理的安全性の高い職場は、
人を守るだけでなく、組織の力を引き出します。

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