― 社労士として現場で感じていること ―
「うちは小さい会社だから、そこまで大げさに考えなくても…」
そうおっしゃる経営者の方は少なくありません。
しかし実際には、中小企業ほどカスタマーハラスメント(いわゆるカスハラ)の影響を強く受けます。
従業員が少ない分、
一人の休職がそのまま現場の混乱につながるからです。
厚生労働省は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律に基づく指針の中で、顧客等からの著しい迷惑行為への対応を企業に求めています。
これは大企業だけの話ではありません。
では、何から始めればよいのでしょうか
① 「我慢させない」と決める
まず経営者自身が、
「社員に理不尽を我慢させない」
と決めることです。
この姿勢が曖昧だと、現場は萎縮します。
② 対応ルールを決める
難しい規程は不要です。
・長時間拘束は〇分まで
・威圧的言動があれば上司へ交代
・録音や記録を残す
これだけでも、現場の安心感は大きく変わります。
③ 記録を残す
日時、発言内容、対応経緯。
記録は「会社を守るため」だけでなく、
「社員の心を守る」役割もあります。
④ 管理職の一言を見直す
問題が深刻化する企業には共通点があります。
「とにかく謝れ」
「売上を落とすな」
この一言が、社員を追い詰めます。
謝罪と屈服は違います。
誠意ある対応と、理不尽な要求を受け入れることは別問題です。
クレームは宝、ハラスメントは損失
正当なクレームは企業を成長させます。
しかしハラスメントは、人材流出と信頼低下を招きます。
線引きを明確にすることが、
結果として会社を守ります。
中小企業だからこそ
人が辞めない会社は強い。
安心して働ける会社は、顧客からも選ばれます。
カスタマーハラスメント対策は、
「守りの対策」ではありません。
それは、
組織の覚悟を示す経営判断です。
社労士として、制度づくりだけでなく、
経営の軸づくりにも伴走していきたいと感じています

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